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「源氏物語」と不倫

 光源氏は帝の子でありながら、母の身分が低く、「源」という性を与えられて臣籍降下し、いとこと結婚します。昔の身分ある人は、愛人や側室があって当たり前の時代の事。光源氏は数々の女性と不倫関係になっていきます。ちなみに平安時代は、妻を持つ男が多くの女性と関係を結ぶのは構わないものの、夫がいる女性と関係を持つ事は道徳的にタブーでした。当時は通い婚ですから、もちろん手を出した男の方が責められるのですが、それが後に男の浮気は良くて女の浮気は許されないという考えかたに変わったのです。
 源氏物語に話を戻しましょう。光源氏は義理の母との間に子供を作ったり、齢10に満たない小学生くらいの女の子を引き取って育てて、14歳になった時に手を付けてしまったりします。このときすでに最初の正妻は、愛人の生霊から呪い殺されていますので、この女の子を正妻にしてしまいます。この生霊となった六条御息所は、光源氏との結婚を夢見ているのですが、それは叶わず光源氏に見捨てられます。そして死んだ後にも、光源氏に愛される女性に嫉妬して死霊と化してしまいます。六条御息所にも光源氏の気まぐれで失恋してしまうという、同情すべき点はあるのですが、それにしても不倫の女性の多くが、自分を振った男ではなくその配偶者を恨んでしまうのは昔から当然だったようですね。
 そしてもちろんその後も光源氏の恋は続きます。光源氏が関係を持った女性は十人以上になります。もちろんちゃんと振られる事もあったり、下半身はだらしない割に面倒見が良かったり、女性を助ける面を持っています。言い寄る相手を間違えて夜這いして、本命に振られたり、手を付けた女性が思いの他不細工でがっかりしたりと、頭の悪さも愛嬌といえば愛嬌です。
 経済力があり、顔もよくて女性に優しい男性ですから、現在でもこんな男性に言い寄られたら拒めない女性もいるかも知れませんね。今も昔も、かっこよくてお金のある男に愛されたい、それが女性の本音なのは変わりがないようです。